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疫学研究

ヒト血管肉腫組織における浸潤細胞の特性と患者予後との疫学的解析

・ご協力のお願い

この研究への協力はあなたの自由意志で決めてください。強制はしません。また、同意した後でも、いつでも用意された文書にて容易に同意を撤回できます。
次項の各項目をお読みにいただき、賛同されましたら、添付の同意書に署名をお願いいたします。もちろん、この研究によってあなたのプライバシーに関わる情報が公開されることはありません。

 

1.研究の意義と目的

免疫染色やダーモスコピーなど最近の診断技術の進歩や、皮膚腫瘍の一般向けの啓発などにより、悪性黒色腫や有棘細胞癌などの皮膚悪性腫瘍の多くの症例が早期発見されるようになってきた。しかし、ヒトの皮膚腫瘍、さらにはヒトの固形腫瘍の中でも最も悪性度が高く、進行が早い悪性血管内皮細胞肉腫(血管肉腫)は、いまだ現代医療でも手の施すすべのない激烈な皮膚腫瘍である。 この悪性血管内皮細胞肉腫(血管肉腫)は、高齢者の額部・頭部に小さな紫斑・皮下出血斑として発症し、数週から数ヶ月の経過で結節化・潰瘍化し、急速に拡大し顔貌を破壊すると共に、肺転移を頻発し肺や局所からの出血により死に至る。 
沖縄地方ではこの血管肉腫の発症が他地域と比較しても極めて高い。 他地域との比較を念頭に置いた疫学的な解析として、当教室の近年の臨床情報を取りまとめている最中であるが、日常の臨床上の印象では、沖縄県以外の大学病院皮膚科においては、その新規発症患者は紹介を含め1年に1人程度であるが、琉球大学においては、1-2ヶ月に1人ほどの新規発症患者の診断・治療に当たっている。 しかしながら大部分の症例において診断確定後の平均生存日数は2年に及ばない。 しかしながら血管肉腫においても、時に発症後2年を超えて生存される症例にも数は少ないながら遭遇する。 この各血管肉腫の患者個々人における生命予後を予見すべく臨床指標の存在はいまだ明らかでない。

 そこで、我々は血管肉腫の患者の切除標本を用い、腫瘍組織における浸潤細胞での各種膜抗原の発現を免疫組織化学的にて決定し、その発現パターン、浸潤細胞のプロファイルと臨床的な予後情報との相関を解析することで、血管肉腫における予後因子を見いだすことを試みる。また、この解析により現在多様な悪性腫瘍に対し研究・臨床治験の段階である免疫療法の効果や適応の可能性を探る一助としたい。

 

2.研究の方法

こ1987年1月から現在までに、琉球大学と京都大学において組織学的に血管肉腫の確定診断を受け、その後の経過が確認できる患者さんを対象に行います。対象患者さんんの病理未染標本をこれまで腫瘍免疫に関与するとされる各抗原の特異的抗体などにより染色しそれぞれ比較します。研究は倫理委員会で承認されてから2015年まで行います。


3. 個人情報の保護:
 患者の個人情報は、個人情報保護のため、研究用症例識別コードによって匿名化します。また、プレパラート病理標本は病理標本番号によって匿名化されます。本人と照合可能な個人情報が研究参加施設外には出ないため、各研究参加施設の研究責任医師は、責任を持って研究用症例識別コードとカルテ番号・氏名などの個人情報の連結表である調査対象症例リスト(様式は問わない)を金庫内に保管し、厳重に管理し、研究データの照会や、研究資料等の返却時の管理に用います。各研究参加施設への照会は、研究対象者の予後調査情報については症例識別コードとイニシャルの2つを用い、プレパラート病理標本については、病理標本番号を用いる。また、収集データを扱うことができるのは研究者のみとし、外部に接続されているコンピューターには保管しません。
 琉球大学医学部附属病院の包括的同意、もしくは琉球大学医学部附属病院皮膚科で義務づけられている、琉球大学医学部附属病院皮膚科で行う特殊検査についての同意をもって同意書とします。

 データの収集に使用した記録用紙及び分析過程で印刷したデータは、全てシュレッダーにて裁断し、内容が分からないようにして廃棄します。解析に使用したコンピューター上のデータは、研究が終了した場合には読み取り不能となる方法により破棄します。また、臨床情報調査票、および、プレパラート病理標本、症例病理標本リスト、プレパラート標本病理診断調査票は、全ての研究が終了後、研究参加施設である琉球大学大学院皮膚科学教室において、研究代表者の高橋健造の研究室の施錠した書類キャビネットに厳重に保管します。

提供された血液は分析する前に本人と分かるような情報(氏名・生年月日など)を削り、番号をつけます。あなたとこの番号を結ぶ付ける対応表は、琉球大学医学部皮膚科教室において厳重に保管します。

 

4.研究協力の任意性と撤回の自由

この研究へのご協力は自主的な判断によります。ご協力いただけなかったとしても、何らあなたの不利益になることはありません。また一旦同意された後でも、いつでも同意を取り消せます。その場合はあなたに関する検査結果は全て廃棄し、記録には残しません。検体の提供は無償です。

 

5.研究協力の利益および不利益

この研究は対象となる方に対し、この研究に関連した新しい検査や金銭的な負担は一切生じません。 負担は私どもの研究費で賄います。予測される不利益はありませんが、短期的には患者さんに直接的な利益もありません。

協力してくださる患者さんへ、金銭をお支払いすることもありません。

 

6.解析結果の開示

この調査は個人の利益や不利益に直接関与する解析結果とはなりませんので、個人の検査結果は開示いたしません。

 

7.研究結果の公表

この研究の成果は学会で発表され、学術誌に掲載される可能性もあります。その時には、あなたを含めご協力いただいたすべての患者さんは匿名化された状態で発表され、あなたのプライバシーに関する情報が公表されることは全くありません。

 

8.研究から生じる知的財産権の帰属

本研究の成果として特許などの知的財産権が生じる可能性はあります。この場合、その権利の帰属先は国、琉球大学、研究遂行者などになります。なぜなら、本研究の成果は多数の患者さんから得られた研究成果に基づいているため、特定の患者さん個人に知的財産権を付与することはできないこと、知的財産権はそれを見出した研究組織に帰属される性質のものだからです。

 

その他、この研究にご質問等がありましたら下記までお問い合わせ下さい。御自身や御家族の情報が研究に使用されることについてご了承いただけない場合には研究対象としませんので,2015年3月31日までの間に下記の連絡先までお申出ください。この場合も診療など病院サービスにおいて患者の皆様に不利益が生じることはありません。

 

連絡先:琉球大学大学院医学研究科皮膚病態制御学講座 (琉球大学医学部皮膚科教室、電話 098−895−1153、お急ぎでないときはなるべくファックスでお願いいたします。 FAX番号 098−895−1417 粟澤遼子)

 研究責任者     琉球大学皮膚科  准教授  高橋 健造 

   研究担当者     琉球大学皮膚科  教授   上里 博    

          琉球大学皮膚科  大学院生 内海 大介

          京都大学皮膚科  講師   谷岡 未樹

          京都大学皮膚科  教授   宮地 良樹

           京都大学皮膚科  大学院  藤井 弘子

      

 

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